231 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/16(水) 23:46 ID:fInOnp.6
村上春樹のエルサレムスピーチがちらほら浮かんできたと思ったら
イランでツイッター大活躍みたいな話になってきた
233 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 02:01 ID:ejloN5ZA
>>231 エルサレムスピーチ、もう一度読んでみました。
受賞直後に読んだときには、よいスピーチだとは思ったのですが、
それがどういう理由からなのかは
当時さっぱり言語化できませんでした。
今読めば、全く内容が様変わりしたかと思えるほどに、
彼の言いたいことがストンと入ってきました。
村上春樹のいう「システム」は、
まんま私の「組織」という言葉と置き換え可能に思えました。
「卵と壁」の暗喩も、まさにこれからの内容といっていいかもしれません。
「個の確立」と書きながら、それが大げさだと言ったのは、
「壁=システム=組織」に単体で対抗し得るほど強い「卵=個」を確立することは
無理だし、そんな方向に話を進めるべきではないと、
どこかで思っていたからだと今なら言えます。
237 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 13:10 ID:ejloN5ZA
私自身が反省を迫られる際でも、
自分が嘘の反省しかしていないな(「我慢」「忍従」の姿勢をみせているだけ)
ということは何となく自覚しているのですが、
あるべき反省の姿(敢えてそれはある、といいましょう)は、
事後的に、それも恐ろしく後になってからしか自覚できないのが常です。
238 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 13:25 ID:ejloN5ZA
言われてすぐ反省ができるなんてことを、
私はもうほとんど信じていません。
後々になっても、反省の機会に恵まれるかどうかなんて、
それ自体あてのないことだとすら思います。
おそらく誰もが、反省できないことを山のように抱えながら、
さらにはそのことに気づきもしないまま、
いつのまにか人生を終えていくのでしょう。
「上手に思い出すことは難しい」
これも小林秀雄の言葉なんですが(かつてよく読んだものです)、
ただこういうことがあった、と出来事を記憶するだけでは足りなくて、
「死んだ子の歳を数えるように思い出す」、
うまく言えないのですが、「決して終わったことにしない」ことが、
まず要るのだと思います。
239 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 18:29 ID:ejloN5ZA
文章の流れを保つことも大事だと思いつつ、
推敲も文献をあたることもせず、
ふっと湧いた思いをその都度書いているので、
現状とてもまとまりのないものになってしまっています。
人に読ませるものとしてどうかとは思うのですが、
時々読み返してみると、方向性らしきものが見えなくもない。
みなさんに書き込んでいただいたこと、まだ拾いきれていないものも多いです。
このスレは1000までまだ遠いので、ぼちぼちやりますし、
村上春樹のエルサレムスピーチの中身が、発表当時は理解できなかったように、
時に及んで話題にできる部分があればと思うのです。
240 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 19:19 ID:ejloN5ZA
エルサレムスピーチ、もう一度読んでみました。
(携帯なので、このスレと同時に見ることどころか、コピペすらままならない…)
村上春樹は、個人が壁(The system)に勝つ希望があるとすれば、
それは個個人の心がつながることを措いてない、と述べています。
言ってしまえば非常に曖昧かつ平たい表現で、
「それがどうした」と読み流してしまっても仕方のない書き方です。
ただ、私は「システム=壁」の喩えはよく分かるのですが、
昨日読んだ時点では、「個人」を「卵」になぞらえる意味が、
よくわからなかったのです。
今日昼間、反省について書いてみて、
個人もまたその殻を破らなければ、
他者との繋がりもまた得られないのではないかと思い至りました。
241 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 19:32 ID:ejloN5ZA
壁は、内部と外界とを区別するものを指す以上に、
内部を厚く守るもの、
個人の力(=卵がぶつかる力)では破れないものの比喩だと思います。
一方、卵の殻は、同じ壁でも、非常に薄くて脆いことを表しているはずです。
村上春樹は、それぞれの個人が、
国境や民族を超えて繋がることのできるものだと主張します。
これもただの無国境主義のような、
楽観的な「世界は一つ」みたいな話ではないと、多分思うのです。
242 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 19:33 ID:YFwPDSfk
エルサレムを振った人間です
おお、新たな展開、というかその解釈は頭に浮かばなかったです
テクストは読み手に委ねられるとはこのことなりや
面白いので続けていただければ
243 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 19:36 ID:TlQhnzdo
すごく面白く読ませていただいています。検証を1さんのぺ―スで続けてください。
244 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 19:44 ID:ejloN5ZA
個人の方がシステムより壁が薄いのだから、
脆くて壊れやすいのはもちろんですが、
その壁の薄さ故に、システムより殻を破りやすい
(=自分の殻を破り、「再生」し、他者と繋がることのできる見込みが高い)
といえます。
組織の分厚い壁にいつまでも守られることを望む者は、
さまざまな出来事に個人として直面できず、
したがって反省もできず、ついにその殻の外側を知らずに終わる、
ということではないのかなと思います。
「卵」である個人の殻の薄さは、不幸な脆弱さをもつ反面、人の痛みを知りやすく、
故に人と繋がりやすいという特性をもっているのではないでしょうか。
245 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 20:03 ID:ejloN5ZA
>>242 エルサレムスピーチ、ご紹介ありがとうございました。
おかげでゴハン何杯でも食べられるように書いてますが。
いいんでしょうか。
>>243 どもです。こんばんは。
そもそも、壁と卵の内側にあるものを確認してみると、
壁の内側にあるのは、自動化された非人間的なシステムです。
私が圧力鍋で例えたように、
一旦火がつくと個人を阻害しながら暴走を目指すような無機的なものが、
中には入っているのです。
一方、卵の中に入っているのは、生身の個人です。
壁が破れるときは、老朽化して廃棄されるときか、
内圧による暴発か、外圧による破壊を意味します。
これはいわば、死です。
246 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 20:09 ID:ejloN5ZA
一方、卵の殻が破れるときとは、
外圧による死(死産)があるのは壁と一緒ですが、
「再生」により他者と繋がる機会を得た際には、
卵の中身がドロッと溶け出す、のではありません。
生まれる準備を完了した、生きた個体が、
殻による保護から解放されて、きっと飛び立つ、ということを、
村上春樹は言いたいのではないでしょうかね。
(中に入っている生き物は、やはり鳥のイメージです)
247 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 20:19 ID:ejloN5ZA
比喩に乗ったまま書くのですが、羽を得た鳥は、
たしかに国や民族といったあらゆる壁を、
その高みから見はるかすように飛び越えるでしょう。
そして、自分と同じように飛ぶ鳥を、空で見つけることになるのでしょう。
これが村上春樹のいう個人の連帯なのかなと思うのですが。
壁、そしてシステムには、色々な意味で見込みがない
(ひとつは、小説の題材にはなりえない)。
一方、卵(個人)には、未来とか希望がある、と
村上春樹は直感的にみているのでしょう、おそらく。
248 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 20:30 ID:ejloN5ZA
一段落ついた気がします。
喫茶店でやってるのですが、携帯の電池もヤバいので、家に帰ります。
249 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/17(木) 23:47 ID:MuHE90wE
>>1さんお疲れ様です。今日学部スレでここを知り、一気に読ませていただきました。
すばらしいです。
ぜひこのままお続けください。よろしくお願いいたします。
250 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:09/09/18(金) 09:05 ID:aHqDKBw.
>>249 こんにちは。
次回予告 「場所」授賞式、そして、卵のありか