駆け込み訴へ~パンは私の肉~黄昏の弁明
これらの作品は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません
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25 名前:お伽草子 ◆NhDiiXmp8. [sage] 投稿日:2009/09/27(日) 15:21:05 ID:/WMXRvZN
駆け込み訴へ
申し上げます。申し上げます。あの人達は酷い。酷い。はい、悪い人達です。ああ、我慢ならない。このままにして置けねえ。
はい、はい。落ち着いて申し上げます。あの人達をこのままにして置いてはなりません。世の中の仇です。
あの人達は女を襲って、それを笑いながら凄い事なんて平気で言ってのけるんだ。
ああ、もう、嫌だ。堪えるところ迄は堪えて来たのだ。怒る時に怒らなければ、人間の甲斐がありません。
あの人達がした事がどんなに酷い事か、あの人達自身だって、それに気がついていないのだ。いや、あの人達知っているのだ。ちゃんと知っています。知っているからこそ、尚更あの人達はセカレをするのだ。
あの人達は傲慢だ。偏差値が低い、それがご自身に口惜しいのだ。あの人達は阿呆なくらいに自惚れ屋だ。国立いうだけで、エリートとひとから見られたくてたまらないのだ。
ばかな話だ。世の中はそんなものじゃないのだ。あの人達に一体、何が出来ましょう。なんにも出来やしないのです。
毎晩スレッドに来て踊り狂う姿は、私には、もはや、憐憫以外のものは感じられなくなりました。
実に悲惨な、愚かしい茶番狂言で、ああ、もう、この人達は落目だ。一日生き延びただけ、あさはかな醜態をさらすだけだ。
花は、しぼまぬうちこそ、花である。枯れる前に、剪らなければならぬ。一日でも早くあの人達に罪を認めさせなければならぬと、私は、決心を固めるだけでありました。
完
<太宰治・駆け込み訴え>より
パンは私の肉
205 名前:お伽草子 ◆NhDiiXmp8. [sage] 投稿日:2009/10/01(木) 22:48:02 ID:TGdlquw9
私はあの人を愛しています。他の部員たちが、どんなに深くあなたを愛していたって、それとは較べものにならないほどに愛しています。誰よりも愛しています。
FやTたちは、ただ、あなたについて歩いて、何かいいことがあるかと、そればかりを考えているのです。
けれども、私だけは知っています。あなたについて歩いたって、なんの得するところも無いということを知っています。
それでいながら、私はあなたから離れることが出来ません。どうしたのでしょう。あなたが此の世にいなくなったら、私もすぐに死にます。生きていることが出来ません。
私はこっそり考えていることが在るんです。それはあなたが、くだらない部員たち全部から離れて、つつましい民のひとりとして、私だけと静かな一生を、永く暮らして行くことであります。
私の村には、まだ小さな家があります。猫の額ほどの庭には、柿の木もあります。秋、いまごろは、柿の実が撓わに実り見事であります。一生、安楽にお暮らしできます。私がいつもお傍について、御奉公申し上げたく思います。
一度、あの人が、春の坂道をぶらぶら歩きながら、ふと「おまえにも、お世話になるね」とおっしゃって、私はそれを聞いてなぜだか声を出して泣きたくなりました。
いいえ、私は世間の者に知られなくても、ただ、あなたお一人さえ、おわかりになっていて下さったら、それでもう、よいのです。
私はあの人を愛している。あの人が死ねは、私も一緒に死ぬのだ。あの人は誰のものでもない。私のものだ。
あの人を警察に手渡すくらいなら、手渡す前に、私はあの人を殺してあげる。
学歴を捨て、就職を捨て、私はきょう迄、あの人について来たのだ。私は報道を信じない。警察も信じない。なんであの人が、あの事件に関わっているものか。マスコミは嘘つきだ。言うこと言うこと。一から十まで出鱈目だ。
けれども私は、あの人の美しさだけは信じている。あんな美しい人はこの世に無い。私はあの人の美しさを、純粋に愛している。それだけだ。
お聞き下さい。半年まえのことでした。
あの人は、京都の居酒屋で追いコンをしていた時に「上が面白いことに…」そう言った時に、あの人の青白い頬は幾分、上気して赤くなっていました。
私はあの人の言葉を信じません。れいに依って大袈裟なお芝居であると思い、平気で聞き流すことができましたが、それよりも、その時、あの人の声に、また、あの人の瞳の色に、いままで嘗つて無かった程の異様なものが感じられ、
私は瞬時戸惑いして、更にあの人の幽かに赤らんだ頬と、うすく笑いを堪えた口元とを、つくづく見直し、はッと思い当たることがありました。
ああ、いまわしい、口に出すさえ無念至極のことであります。
あの人はこんな下級生に恋、では無いが、まさか、そんな事は絶対に無いのですが、でも、危ない、それに似たあやしい感情を抱いたのではないか?
あの人ともあろうものが、あんな下級生ふぜいに、そよとでも特殊な愛を感じたのであれば、それは、なんという失態。取りかえしの出来ぬ大醜聞。
私はひとの恥辱となるような感情を嗅ぎわけるのが、生れつき巧みな男であります。自分でもそれを下品な嗅覚だと思い、いやでありますが、ちらと一目見ただけで、人の弱点を、あやまたず見届けてしまう鋭敏の才能を持って居ります。
あの人が、たとえ微弱にでも、あの下級生に、特別の感情を動かしたということは、やっぱり間違いありません。私の目に狂いが無い筈だ。たしかにそうだ。ああ、我慢ならない。私は、あの人も、こんな体たらくでは、もはや駄目だと思いました。醜悪の極みだと思いました。
あの人はこれまで、どんなに女に好かれても、いつでも美しく、水のように静かであった。いささかも取り乱すことが無かったのだ。ヤキがまわった。だらし無え。
私はそれを思った時、はっきりあの人を諦めることが出来ました。そうして、あんな気取り屋の坊ちゃんを、これまで一途に愛して来た自分自身の愚かさをも、容易に笑うことが出来ました。
もはや猶予の時ではない。あの人は、どうせ晒されるのだ。ほかの人の手で引き渡されるよりは、私がそれを為そう。きょうまで私の、あの人に捧げた一すじなる愛情の、これが最後の愛情だ。私の義務です。私があの人を売ってやる。つらい立場だ。
誰がこの私のひたむきの愛の行為を、正当に理解してくれることか。いや、誰に理解されなくてもいいのだ。私の愛は純粋の愛だ。人に理解してもらう為の愛では無い。そんなさもしい愛では無いのだ。
私は永遠に、人の憎しみを買うだろう。けれども、この純粋な愛の貪慾のまえには、どんな刑罰も、どんな地獄の業火も問題でない。私は私の生き方を生き抜く。身震いするほどに固く決意したのでした。
完
黄昏の弁明
199 名前:お伽草子 ◆NhDiiXmp8. [sage] 投稿日:2009/10/01(木) 17:43:04 ID:TGdlquw9
聞いて下さい。私はあの人を愛しています。好きでなければ、こんなことは、しません。好きだから、あの人の大事な作品を醜く切り刻み、都合の良い言葉を嵌め込んで、繋ぎ合わせているのです。
この板に来て、もはや六日が経ち、もうすぐ一週間になろうとしている今、煽りも収まりつつあるというのに、何故か晴れない靄々が鬱積し、澱となりつつあるのです。
何故か、いや、何故かなど言わなくても承知だ、それはLRの違いなのであります。しかし、雑談が出来ぬ、私は壁に打ち当たったのでありました。
その時、閃きました。そうだ、ここは創作板だ、作品にして読んで貰えは良いではないか、しかし、どうやれば…、で、こうなったのであります。
そうです。これは文体模写のつもりなのですが、語彙が貧弱な為、哀しいかな、ちっとも似ていないのです。
こんなのを作品で出したら、失敗作の「あの作品」の二の舞になるぞ、という声が聞こえて来ます。自分でも分かっているのです。でも、伝えなければ、まず、用件を済ませましょう。
私がお願いしたいのは、sageて下さい、煽りにスルーして下さい、事件の検証をここでしないで下さい、馴れ合いにならないで下さい、それだけです。同僚からのアドヴァイスです。
同僚は可愛くて素敵な方ですが、私より若いのに既婚者で、悔しくもあります。
やれやれ、これですんだぞ、と安心した途端、またあの声が聞こえます。こんなの作品になる訳ないだろう。
分かっています。私も充分承知しているのです。だからあの人の文体を模倣したのです。先日上梓した作品と、先程、旧スレに投下した作品とを合わせ、三部作にしたらごまかせるか、などと、甘い望みを抱いているのです。
ですから、どなたか、サルベージをお願いします。部屋に電話(モジュラーというのでしようか)が引けなくて、まだPCが繋がらないのです。
こうやってごまかすのか、お伽草子も落ちぶれたものだ。はい、その通りです。さして評価の高くない短編小説一編で、よくもまあ三編も作ったものだ、我ながらケチ臭い性格に呆れます。
しかし、この手はもう使いません。何より太宰氏の文体(この小説に限る)は、一行が長過ぎます。一行内の文字数が決まっている2ちゃんには向きません。つくづく懲りました。
太宰氏の文体模写といいつつ、いつの間にか清水氏の文体になっていると気付き、少し寂しさを覚えた、秋の夕暮れでありました。
<清水義範・深夜の弁明>にヒントを戴いて