磯ケ谷昇犬の困惑

この物語は不完全なフィクションであり、実在の人物、場所、事件とは多分関係ございません

http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/aniki/1249317059/
雑談系2 [ガチホモ] “【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 2”
482 名前:いらちなきのこ[] 投稿日:2009/08/08(土) 12:49:52 ID:lnN6xDtf


ピッ、ピッ、肉を打つ音がメトロノームのように正確にリズムを刻む。
磯ケ谷昇犬だ。昇犬が競歩で歩を刻むごとに太腿の付け根からその音は発せられている。
ゴールラインをきる。
競歩から腰に手をあて普通に歩き出すとともに例の音も止む。
昇犬の居残り練習に付き合ってた竹多悟が昇犬の背中にタイムを伝える。
軽く右手を上げてそのままダウンで歩いてゆく。
タイムが悪いのは股間の音で判っていたが思った以上に悪い。
うなだれて歩いていると「お~い!奇跡の男!」
アメフト部の國定洋平と田井中保雄だ。
トラックにまだ女子部員が残っているからだろう、普段は「奇跡のイチモツ」と呼んでいる。
「何が奇跡だよ!」
怒鳴り返したくなったが昇犬は堪えた。
コスプレチームに俺の悩みが判るもんか。おまけに洋平ときたら隣の保雄が「敵チームにいると頼もしいけど、味方にするととんでもなく厄介な奴。」と評していた。
その時、横にいた久呆さんは苦笑して何も言わなかったが事実だろう。
あいつは一緒に遊ぶ分にはいいけど、共に何事かをなすには思慮が足りな過ぎる。
お前が言うな!と突っ込みの一つでも入れてやりたいところだが昇犬はいたって真面目にそう思っている。
周りの皆がチヤホヤする奇跡のイチモツが悩みの種である。

昇犬は競歩に転向した時の悪ふざけが原因で極端に亀頭が鈍感になってしまった。
競歩の有力選手となった代償ともいえるがヤリたい盛りの昇犬に納得出来るものではない。
中折れを防ぐ為に強引に自分だけイクことで体裁を保つようにして昇犬は満足するようになったのだが彼女はたまったものではない。
だから昇犬は付き合っても長続きしない。
洋平や保雄達は勝手に勘違いして昇犬がヤリ捨てしてると思っている。
普段の昇犬は気さくでノリのいい奴だからコンパで女の子の受けもいいから洋平や保雄達が勘違いするのも無理はない。

「あれはイケると思ったんだけどなぁ。」
トラックを歩きながら昇犬は思った。
数日前にいかがわしい週刊誌で前立腺マッサージというものを知った。
なんでも後ろの穴を刺激すると萎えたイチモツも元気になるらしい。
本当だろうか?本当なら中折れしそうになると前立腺を刺激すればいいんじゃないだろうか。
昇犬の頭の中でファンファーレが鳴り響く。
これで悩みが解決される、よし、この店へ…いや、待てよ、俺は前立腺マッサージしてもらいたいんじゃない、中折れしないようにしたいんだ、ということは自分でマッサージ出来ないといけない。
昇犬は躊躇した。自分で菊門に指なんて入れられるかぁ。誰かこういうことに詳しい奴…いた、洋平!あいつなら…いや、あいつ俺のこと掘りかねないぞ!洋平が聞けば、
「俺にも選ぶ権利があるわい。」
と怒鳴るようなことを勝手に思っていた。

30分後、散々悩んだ末に昇犬は下半身裸になっていた。同じ陸上部の竹多から貰ったペペローションを菊門と指にたっぷりと塗り、丁寧に自分で愛撫していった。
彼女もそうやって丁寧に扱えば簡単に別れようとは言わず、自分で菊門を弄るような馬鹿なことをしなくて済むのだが昇犬に限らず、ここの学生にはそれが判らない。
「ウホッ!」
思ったよりもずっとスムーズに昇犬の菊門は自身の中指を受け入れた。
温かな肉壁が指を締めつける。
そしてヒクヒクと指を締めつける度に前でうなだれていたイチモツが硬さと熱を帯びてくる。
初めての体験に昇犬は夢中になっていた。
そして、更なる快感を求め仰向けで下半身を頭に近付けた、いわゆるまんぐり返しの体勢になって目を閉じて指を動かしていた。
「あいつがハマるのも無理ないなぁ。」
普段、ガチホモと蔑む洋平を思い出していた。
尿意が限界に近付いたような感覚を感じ、もうイこうと目を開いた昇犬の眼前に普段より怒脹した亀頭があり、そこから白濁した液体が襲い掛かった。

昇犬は顔をしかめた。
とりあえず、中折れは回避出来そうだがセルフ顔面シャワーなどというAVでもお目にかかれない荒業がトラウマになって再び試す気になれない。

トラックを一周してダウンを終えた昇犬は竹多へ近づいていく。
「なんかストライドが小さいよなあ。」
そういう竹多に昇犬は無言でうなづく。
「調子悪いんか?」
「精神的なもんすよ。」
「ふ~ん、ヤリ捨て昇犬に悩みねえ。」
「ヤリ捨てじゃないすよ。」
思わず声を荒げる昇犬に驚く竹多。
「すいません。」
ハッとして昇犬は謝る。
竹多は学年は同じだが歳はちょっと上である。
いや、学生の感覚ではかなり上といっていい。
そういった歳のせいか竹多は昇犬達の兄貴分のようなところがあり、竹多自身も面倒見がよく今も昇犬の居残り練習に付き合っている。
「何かあったん?」
尋ねる竹多に昇犬は付き合ってもなかなか長続きしない悩みを相談し始めた。
勿論、セックスの悩みは口にしない。体育領域の彼らにとってセックスこそが全てでありそれが上手くいかないと口にすることは存在意義を自ら否定するに等しい。
一通り話を聞き終えた竹多は
「ええんちゃう。」
と言い、キョトンとする昇犬をよそに
「フラれる前に先にフッたらええやん、それに前もって二股、三股ぐらいかけといたら困らへんやろ。それに若いんやから遊ばんんとなぁ、牛馬飲食言うやろ。」
「竹さんもそうやってきたんすか。」
「おっ、おう。」
嘘である。彼は素人童貞であるがそんな事は口が裂けても言えない。
「そうかぁ、そうっすよね!」
先程とうって変わり明るい表情になる昇犬。

「これやから田舎もんは洒落が判らん言われるねん。」
真面目な話が嫌でテキトーな事言っただけの竹多は心の中で呟いた。
「まっ、ええか。何や元気になったみたいやし。」
「竹さん、もう一本付き合って下さい。」
「おう。」
ビシッ、ビシッ、先程とうって変わって力強い音が響き大きなストライドで歩を刻む。
問題は何一つ解決しておらず、勘違いしただけなのだがこの大学の学生らしいといえば学生らしい。

オープンキャンパスへ足を運ばれた皆さんご苦労様です。一服の清涼剤になればと思いやっつけで仕上げました。