名張の踊子 作:オワタ安羅化
この物語は完全なフィクションであり、実在の人物、場所、事件は一切、関係ごさいません。
【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 5
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352 名前:ウホッ!いい名無し…[sage] 投稿日:2009/09/03(木) 01:07:31 ID:W/bv5PiX
人生がつづら折りになって、いよいよ行き止まりに近づいたと思う頃、
2ちゃんねらーがネットの密林を白く染めながら、すさまじい早さでミクシィから私を追って来た。
私は二十歳あまり、黒い遮光の眼鏡をかけ、鶏の唐揚げを手に持っていた。
一人名張の旅に出てから四日目のことだった。
田原本に一夜泊り、大津の堅田に二夜泊り、そして小さい身長を底上げの靴で誤魔化して来たのだった。
捕まっていった友々や知人や学校の大木に見惚れながらも、私は一つの期待に胸をときめかして道を急いでいるのだった。
そのうちに大量の足跡が私を打ち始めた。診断書を出し急に学校から駆け逃げ去った。
ようやくミクシィのコミュニティにたどりついてほっとすると同時に、私はそのとば口で立ちすくんでしまった。
あまりに恐ろしい期待がみごとに的中したからである。そこには踊子がひとり休んでいたのだ。
突っ立っている私を見た踊子がすぐに髪を振り乱し、そばに寄ってきた。
「ええ……。」とだけ言って、私はそこから目をそらした。
追撃を逃れた安堵の息切れと、驚きとで、「ぶさめか。」という言葉が喉にひっかかって出なかったのだ。
太い縁の眼鏡をかけ、緑の上っ張りから逞しい足をさらした踊子と間近に向い合う羽目に陥ったので、
私はあわてて袂から携帯電話を取り出した。
踊子がまた2ちゃんねるで勝手に舞を披露した。やっぱり私は黙っていた。