楽しい信者生活
この物語は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません
【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 5
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763 名前:楽しい信者生活① ◆jbk/fGtpkA [sage] 投稿日:2009/09/08(火) 00:20:50 ID:bq/9SaBT
もう体力的には限界で、頼みの綱は精神力だけ。モカもチョコラBBも効き目を発せず。
視力も落ちてるのか、画面を見る姿勢が前のめりになる。
3ヶ月前、得体の知れない謎のお姉様に声をかけられ、このマンションに出入りすることになった日から、
ずっとこんな状態が続いている。
目の前にあるスクリーンは全部で九枚。三枚づつ三段に重なっている。
七画面で某巨大掲示板。一画面で、ニュース類。一画面は予備として何も映してない。
「深雪さ~ん、あたしお風呂に入りたいでぇ~~~~すぅ」泣きそうな顔でそう訴えると、
深雪さん(コードネームDEEP)は、「洗面台、使っていいわよ」と美しい笑顔を浮かべながら
残酷なことをおっしゃった。・・ぎ、行水しろというのか。うぅ。
・・それにしても、この人はいつ寝てるんだろう?多忙のくせにいつも身奇麗にしてる。
腰まである髪を時々「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」と奇声をあげながら掻き毟るあたしとは対照的に、
深雪さんはきっちり纏め髪。白い肌に黒い髪が印象的だ。
あぁ、最後に髪を巻いたのはいつだろう・・。
巻髪用にゆるいパーマをかけてるので、巻いていないと某カルト集団の教祖か、浮浪者のようになってしまう。
び、美容院にも行きたいよ。。。。。
自担の顔が見たい。イケメンのDVDが見たい。もう何週自担の冠番組を見逃したんだろう。
新曲はいつなんだろう。あぁ・・予約しなくて大丈夫なんだろうか?などと思いを巡らせていると、
机の上に「癒しクマ」の大名行列が通り過ぎた。「えっ?」ぎょっとして我に返る。
・・とうとう幻想まで見るようになってしまった。うぅぅぅ。
アフター5(正確にはもっと遅くから始まる)からモニタリングの仕事を引き受けてから、
どんどん人間離れをしている。すでに3ヶ月前に女を捨てている。
ある事件を追っているのだが、それが・・とんでもなく社会正義を揺るがす事件なのだ。
常識ではとても考えられない。いや、この民主主義の日本で起きているという事実が受け入れ難い。
根が深くて追っても追っても追い切れるものではないんだけれど、深雪さんは諦めない。
事件を追うのは、そんなに苦ではない。それよりも、頭の悪い書き込みに神経がちぎれそうになる。
某巨大掲示板では、犯罪の被害者への中傷はよくあることだった。以前からそうだ。
でも明らかに事件の関係者が書き込んでいるとなると、全く話は別になる。
被害者を中傷するスレッドが立つ。
一昔前の某巨大掲示板だったら、ID表示も連投規制もなかったから、
JAVA ・peal・ ruby なんかで埋めることが可能だったみたいだけど、今はそれも無理。
「深雪さ~ん、こんなんいたちごっこですよ。本当にいつまで続くんでしょうか?」
犯罪の被害者を激しく中傷する文章を読み続けるのは、精神的にかなりきつい。
しかもそれが性犯罪ともなれば、同性である被害者にどうしても感情移入してしまう。
性犯罪の被害者を誹謗中傷して貶めることをセカンドレイプというらしいが、
これが何故か同性である女性が率先して行っているというのだから、目も当てられない。
しっかし、バカが多い。信じられないぐらいバカが多い。
底辺の国立大学で起きた事件らしいが、学生がセカンドレイプしている場合、
その書込みは、辻褄すら合っていないものがほとんどだ。
こんなヤツらに何故血税を投入しなきゃいけないんだ。金かえせ!紺に何回いけると思ってんだ。
もう朦朧とする頭は、ひたすら現実逃避をしようとしている。
「鬼女板、見て」深雪さんの切迫した声に画面を切り替える。
あああああああ!なんだ、ありゃ。ログ保存、ログ保存っと。
こうやって一つ一つ保存して各機関に情報提供や通報をしている。細々と地道に。実に根気よく。。。
後方に座っている深雪さんを見ると、背筋をピンと伸ばして美しい姿勢で画面を凝視している。
だが、その表情は般若のように恐ろしい。・・怒ってる!非常に怒ってる!
「conference callの時間ね」深雪さんに言われて、別室に移動する。
・・あぁ・・お風呂~。今日はまだ化粧も落としてない。本格的に浮浪者に近づいている。。。
深夜の電話会議は、いろんな地方からの報告。
今日は、現地に行ってくれたクマちゃん(コードネームlittle bear)からの特別レポートがある。
センスのいい画像とかわいい声で一通り説明を受けた後、大急ぎでまたモニターに向かう。
椅子の上で体育座りになって、画面を見ていると、また動きがあった。
「深雪さん、+でまた沸いているらしいです。大学板の人たちが、教えてくれてます。
通報レベルかどうかわからないのでちょっと見てもらえますか?」声をかけると、
深雪さんがさっきよりも恐ろしい顔で、「アーーーーーウト!!!」とおっしゃった。
・・はぁ・・アウトですか。やっちゃいましたか。
10年前と比べて、ネットの書込みについては、かなり厳しくなったように思う。
「殺す、襲う、燃やす、爆破する」などは絶対に書いてはいけないワードなのだ。
一通り作業が終わると、どっと疲れてしまう。やってもやっても雨後のたけのこのように現れるバカ。
「み、深雪さん・・あたしはイケメンが見たいです。。。」
少し甘えてみたくなって、そっと言ってみた。もう本当に疲れてるんだ。
「わかったわ、これを見なさい」予備の画面に映し出されたのは、レイプ犯6人衆。
・・ものすごく趣味の悪い冗談にぎょっとする。何が悲しくて深夜に性犯罪者を見なきゃいけないのか。。。
「あなた、6人組の男の子のファンだったわよね?」といってクスッと笑う。
こういうお茶目なところが、この人の魅力かもしれない。さっきまでの緊迫感が一気に薄らいでいく。
「いつもがんばってくれてるからね、はい」と手渡されたのは、自担のうちわだった。
嬉しくて涙が出てくる。・・それにしてもどんな顔してあのショップに買いに行ったのだろう?
それを想像するとかなり笑える。寝不足で笑いに歯止めが利かない私に、
「も~、笑いすぎです」と言って、またお仕事に戻っていった。
深雪さん、本当にありがとう。今度カラオケでギャランドゥを歌うからね!
気が付くと3時を回っていた。
机の上に伏せて仮眠を取りながら、you tubeで曲を覚えなければと固く心に誓った。