キノコ様とおれ  1               腐女子先生
これらの作品は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません

【お肉壺】QB師匠の窪みを語るスレ【股間が竹の子】 5
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670 名前:キノコ様とおれ① ◆jbk/fGtpkA [sage] 投稿日:2009/09/06(日) 23:34:50 ID:Jh6S+ZeK


「全く、おまえは毎日毎日、学校も行かずにゲームばっかり!!」
かあちゃんが勢いよく部屋に入ってきた。おれは急いでゲームをセーブした。
・・ちっ、また説教かよ。。。
「エノキ、よく聞きなさい。母さんと父さんは決めました。
今日からおまえはキノコ子爵のお屋敷で、丁稚として奉公するのです!」
「???????」
脳天に斧が落ちてきたような衝撃。ダメージは1000HP。・・なんだ?なんだ?
この平成の世に子爵?丁稚奉公?かあちゃん、とうとう気でも狂ったのか?
「いいですか、エノキ。キノコ様は由緒正しき血筋のお方。くれぐれも粗相のないように!」
「・・かあちゃん?」
「早く支度しなさい!もうすぐ迎えが来るよ!」
近くで馬のいななきが聞こえる。馬?え?馬??何、何、なに?
かあちゃんに急かされ、スポーツバッグに洋服を適当に詰め込んで玄関に出ると、
白馬にのった茶髪の兄ちゃんがおれを見て微笑んだ。
「エノキ君だね?さぁ、行こう」
何がなんだかわからないまま、「わざわざお迎えに来てくださるなんて」
と何度も頭を下げるかあちゃんを尻目に、おれはキノコに馬に乗せられ拉致られたのだった。。。

「ここがおまえの部屋だから」
おれの部屋より10倍の広さの角部屋に案内される。
庭から屋敷まで行くのに、門を抜け森みたいなところを通り過ぎたのにも驚いたが、
その後見えてきた噴水がある庭園にも度肝を抜いた。馬を放し飼いにしていたし。
正直今も只の使用人のおれに、このデラックスな部屋かよ、とかなりビビっている。
けど、ここで心を見抜かれるのは絶対にいやだ!おれは必死にクールな表情を作った。
・・でも手に汗はかいている。。。
「さて、おまえの仕事だが、俺の身の回りの世話をすることと俺の趣味の手伝いをすることになっている。
あとは、馬の世話、女遊びの後始末もしてもらおうかな?ところでおまえ、パソコン使えるか?」
・・ニートがパソコン使えなくてどうすんだよ!と自慢にもならないことを心で思う、が、
キノコと口を利きたくなかったのでおれは黙っていた。
「ちょっとこれ見てくれないか」キノコが机の上にあるパソコンを立ち上げる。
おれもよく見る巨大掲示板が画面に映し出される。
・・なんだ、こいつ。こいつもねらーか?
少しだけ親近感が湧いたところで、キノコが神妙な顔で言う。
「この事件ひどいと思わないか」

キノコが見せてくれた、まとめサイトとスレッドに全部目を通す。
学校で集団暴行があって、学校側がその事実を隠蔽した疑惑のある事件。
犯罪の被害者によってたかって、その学校の学生が根も葉もない中傷している。
普通は暴力沙汰を嫌う女達まで、ブログやSNSを使い誹謗中傷を繰り返している。
その中でも目を引いたのが、自称お嬢様で、ハンドルネームを華姫と名乗っている女だった。
女は自分に自信があるのか、かろうじて目線は隠しているものの自己画像までうpしている。
被害者をなじる中傷文が異様に長く、女の粘着で陰湿な性格が滲み出ているようだ。
おれは読みながらゾッとしてしまった。
「こんな性悪でブサイクな女より、俺のカトリーヌの方がずっと素直で綺麗だ」
「キノコは毛唐女とも付き合ってんのか?きめーな」
「おまえ、さっき乗ってきたじゃないか」
・・馬の名前か。馬にまで小洒落た名前をつけてんのか、こいつは。
「とにかく、おまえにはこの事件を追ってもらう作業もしてもらうから。
難しいことは何もない。ただ、新事実が発覚したときに俺に伝えてくれ」
・・おれは少しだけ、キノコはいいヤツなのかもしれれないと思った。

晩餐のような夕食の後、ライオンの口からお湯が出ている風呂に入った。
何もかもが信じられない。セレブの生活とはこういうものなんだろうか?
「キノコの野郎のビビる顔が見てえ」ふとおれは思った。
涼しい顔をしてるあいつの、呆気にとられた顔を拝んでやりたい。
脅かしてやろうと、夜更けにあいつの部屋の扉をそっとそっと開けた。
部屋の中をそっと覗くと、ベッドボードに寄りかかって本を読んでやがる。優雅なもんだ。
天蓋付ベッドはカーテンみたいなのが垂れ下がってて、よく顔は見えない。
サイドテーブルには、ジタンって書かれたタバコの箱とキラキラ光るダイアの付いたライターがおいてある。
・・どれも金かかってんな!チクショウ!おれなんかゲーム一つ買うのに苦労すんのに!
心の中でありったけの罵倒を浴びせる。世の中は不景気なのに!
金持ちへの怒りがキノコへの怒りに変わったその瞬間、扉がキィッーと音を立ててしまった。
キノコはおれの気配に気がついたみたいだ。

「あ~、女はもう飽きた。怖くて醜い女もいるからな。おまえでも抱こうかな」
タバコの煙をくゆらせながら、ニヤニヤと笑いながら言う。
ホモなんかごめんだ。特にキノコのような腐った金持ちなんか大嫌いだ!
キノコがベッドから降りて近づいてくる。・・身の危険を感じる。
そっと漂ってくるキノコのパフュームの香り。確かサムライ・オムと言っていた。
近づいてくるキノコ。後ずさりするおれ。
キノコは裸の上に刺繍の入ったガウンを身につけているだけなので、
見え隠れする鍛え抜かれた腹筋が妙に怖い。
「夜這いに来たんやろ?初日から熱心だな」と顔を近づけてくる。真顔が恐ろしい。
身動きできない俺の髪を手で梳くと、耳に熱い息をかけられる。
・・わあああああああ!かあちゃん、勉強するよ!ゲームもやめる!家の手伝いもするよ!
家に、家に、家に帰りてえーーーーーーーー!!!マジ、マジおれ、反省した、改心する!
「・・ホンマにアホやなぁ」爆笑を含んだキノコの声に我に返る。
「まっ、これからよろしくな」そういうとキノコはベッドに戻っていった。

・・おれの受難の日々はここからが始まりだった。。。